幼馴染みの重岡くん② - 生きる事とはジャニオタをすること

モヤモヤした気持ちのまま迎えた文化祭当日。今日はまだ学校に来てしげとは顔も合わせていないし、持ち場も違うからこのまま会話もせずに終わるのかな〜なんて思いながら、お昼時になり人も空いてきた受け付けでボーッとしていると休憩時間になった。けど仲のいい子は『〇〇は重岡くんとまわるでしょ？』とか言って勝手に休憩時間をずらされ、こんな雰囲気の中しげとまわれるはずもなく時間を潰すために空き教室になってる自分の教室に向かった。教室に入るとあの日の言い争いを思い出して、なんであの時あんなムキになってしまったのだろうと後悔の波が押し寄せなんとなくしげの席に腰を下ろし机に伏せると、そのまま寝てしまっていたようで気づくと日は暮れていて、外では後夜祭の準備が始まっていたので急いで外に行こう教室を出て階段を駆け降りると落ちていたビニールテープに足を滑らせてしまい"落ちる！！"と思い目を瞑ると急に誰かに後ろから腕を捕まれた。振り返るとしげが立っているのでびっくりして"……なんで、しげがここに？…"というと「自由時間終わって戻ったらお前がまだ戻っとらんて言われてもしかしたらと思ってここ来てん」"そうだったんだ…ごめん"少しの沈黙の後「っあ〜〜やっぱ俺がおらなあかんな！」と言って話を切り出したしげに間抜け顔で"へ？"と言うと「……お前さ、鈍臭いやん。今やって階段落ちそうなっとったし？今までやって！………俺がどんだけヒヤヒヤしてきたと思ってんねん」そう言われて思い返せば思い当たる節は沢山あって「ほら、幼稚園の頃も今日みたいなことあったやろ？鬼ごっこしとる時逃げようとして階段駆け下りたら足滑らせてコケて」と言われ、その時もさっきみたいにしげに助けられて少しの擦り傷で済んだことを思い出し"あった……。また…しげに助けられたね"と言って顔を上げ、ありがとうと言いかけると突然しげの胸に抱き寄せられしげが口を開き「俺さ、あん時から決めててん。あん時は怪我させてもうたから、次からはお前の事、俺が……守ったろって」ただ、幼馴染みだからいつも一緒にいるんだと思っていたのにそんな事思ってくれていたなんて思ってもみなくて動揺していると「……俺は〇〇が好きや。」と言われ、しげがそばにいない数日間のモヤモヤの原因がはっきりわかった。咄嗟に"私もっ…しげの事が好き"と言うとしげの体が離れて自然と目と目が合い「これからもずっと俺がそばにおるから」"…うんっ"そう言うとお互い笑みがこぼれて「ふははっ！なんや久しぶりにお前のわろてる顔みたわw」"へ？wしげこそ！目の下に窪み出来てるよw"「窪みちゃうわい！！エクボじゃ！！」"そんな所にエクボはできません〜〜。てか早く後夜祭行かなきゃ！"そう言って歩き出すと後ろから小走りでしげが追いかけて来てイタズラな顔で「ってかさ、なんでさっき俺の席で寝とったん？なあ？」と言ってくるので"え！？見てたの！？！？最悪っ！！……"と言うと「なあなあ〜なんでな〜ん？俺の事そんな好きなんか？」と甘え声でウザ絡みが始まったけど、自分の気持ちに気づいてしまった今言い返す事が出来ず"いいから早く！！"と言って赤くなった顔を見られないように足を早めると後ろから手を握られ「恋人繋ぎや」と言って走り出すので顔から火を噴いたのは言うまでもない